名義財産とは


 相続税の申告の際、特に問題になるのが「名義財産」です。

 

 たとえば生前の相続対策として家族名義(妻,子,孫など)で預金口座を作成し、その口座に少しずつ現預金を積み立てていくことがあります。ただその行為が贈与と認められない場合、その預金は「名義預金※」となり、実質的に被相続人の相続財産とみなされます。

※「名義預金」:預金の口座名義が配偶者、子、孫などであるが、その預金の原資が被相続人から出ていると認められるもの(贈与と認められるものを除く)をいいます。

 

 この名義預金の考え方は、預金以外の財産についても同様となります。つまり贈与が成立していないと判断された場合、その財産は名義財産として被相続人の相続財産とみなされます。

 

贈与が成立するには

 贈与は、①贈与する人の財産をあげるという意思表示②それを受ける人のもらいますという意思表示をすることで贈与が成立します。よってどちらか一方の意思表示のみでは贈与が成立することはありません。

 たとえば預金等の場合に贈与が成立したと認められるためには、下記の事項などを総合的に考慮し判断されます。

 □その預金等の存在を受贈者が知っているか

 □その預金等の管理を受贈者が行なっているか

 □その預金等の印鑑は受贈者自身のものか

 □その預金等から得られる収益(利息、配当等)を受贈者が受け取っているか

 

名義財産とされないためのポイント

■贈与契約書を作成する

 贈与の成立に必ずしも贈与契約書は必要ではありません。しかし後に贈与の事実があったか否かの争いにならないように贈与契約書を作成し、贈与の事実を残すことが重要です。

■贈与税の申告・納付をする

 その贈与契約書に基づいて、贈与税の申告を行うことより明確に贈与の事実を残すことができます。

■贈与後の財産の管理・処分は受贈者に任せる

 贈与した財産の管理・処分を贈与を受けた人に行わせることで、その贈与を受けた人において贈与を受けた認識があったという事実をより印象強く残すことができます。

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